2008年4月8日火曜日

さて、私は現在大学院の修士課程2年で、
農業土木を専門としてやっております。
環境問題に関心があってこの分野に進学してきました。

環境問題に関して花形的な分野というと、
環境低負荷の製品を作るためのテクノロジーとか、
循環型社会形成のためのシステムというものがあると思います。
もちろんこれらの分野も大事だと思うのですが、
個人的な直感として「食糧問題こそ最も重大な環境問題だ」という信念があったので、
「農」の立場から環境問題を勉強することができるこの分野を選択しました。

ところで、最近池田清彦、養老孟司著の『ほんとうの環境問題』という本を読んだのですが、
この本の内容が自分の環境問題に対する考え方に本当に合致していて、
非常に興味深かったのでここに述べさせていただきます。
なお以下の文は引用ではなく、内容を吟味した上での個人的意見です。

近頃の環境問題は経済主導型で、
問題の本質から全く外れたところでの過熱現象が起こっている。
地球温暖化などはその最たるもので、
売名行為としか思えないようなキャンペーン、
扇動的なデータを振りかざしての身勝手な危機意識の煽りなど、
さも温暖化問題こそが究極の環境問題であるかのごとく取り扱われている。

しかし温暖化による気候への影響は甚大、などというれっきとした科学的根拠など存在せず、
一昔前には地球寒冷化説まで唱えられていたぐらいである。
さらに、もし地球温暖化が切実な問題であったとしても、
そもそも京都議定書の通りCO2を6%削減するなどというのはほとんど効果のない話である。

環境問題とは、人間あるいは生態系が存続していくために
解決せねばならない問題を指すのではないのか。
ならば、食糧問題やエネルギー問題は地球温暖化現象とは
比較にはならないほど重大な問題だと思う。



この本を読んで、自分の直感的な理念に対して確信が持てたような気がしました。
おそらく人生のバイブル的な書の一つとなることは間違いありません。